今回は、中小企業や個人事業主の強い味方「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)」をご紹介します。
この制度は、一言でいうと「取引先の倒産という、もしもの事態から自社を守るための共済」です。運営しているのは、国(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)なので、安心して利用できるのが大きな特徴です。
「うちは大丈夫」と思っていても、連鎖倒産や経営難のリスクはゼロではありません。そんな不安を解消してくれる、この制度の魅力を紐解いていきましょう!
経営セーフティ共済には、節税にも役立つ嬉しいメリットが5つあります。
万が一、取引先が倒産して売掛金の回収が難しくなったとき、すぐに資金を借りることができます。しかも「無担保・無保証人」。
借りられる額は、「回収困難な金額」か「積み立てた掛金の10倍(最高8,000万円)」の、いずれか少ないほうの金額となります。
取引先の倒産後、取引の確認さえ済めばすぐに借り入れの手続きが進められます。資金繰りが苦しい時の「スピード感」は本当に助かりますよね。
これが一番の魅力かもしれません。
掛金は月5,000円〜20万円まで自由に選べ、後から増減も可能です。
この支払った掛金は、確定申告の際に法人は「損金」、個人事業主は「必要経費」に参入できます。つまり、将来のための備えをしながら、毎年の税金を抑えることができるんです。
共済を解約した際、それまで積み立てたお金が戻ってきます。
自己都合の解約でも、12か月以上納めていれば掛金の8割以上が戻り、40か月(3年4ヶ月)以上納めていれば、なんと全額(100%)が戻ってきます。
掛金は1年分をまとめて前払い(前納)することができ、それもすべてその年の経費にできます。
たとえば、月額20万円なら年間240万円。利益が出そうな年の決算対策として活用する方も多いですよ。
※積立上限は合計800万円までです。
今は個人事業主でも、将来「法人化(法人成り)」する予定がある方も安心してください。一定の要件を満たせば、個人で加入していた契約をそのまま法人へ引き継ぐことができます。
【引き継ぎの主なポイント】
● 法人化してから3か月以内に手続きをすること。
● 引き継ぐ法人が加入資格(中小企業者であることなど)を満たしていること。
ここがポイント!
個人で続けてきた共済を法人で解約した場合、戻ってきたお金(解約手当金)は法人の利益(益金)となります。
このタイミングで「役員退職金」を支払えば、利益と経費を相殺できるため、非常に効率的な節税になります。さらに、受け取る退職金自体も税制上の優遇があるため、**「将来の退職金作り」**としても非常に優秀なツールなんです。
とっても便利な制度ですが、以下の点だけは注意しましょう。
● 起業1年目の方は加入できません
引き続き1年以上事業を行っていることが加入の条件です。
● 12か月未満の解約は掛け捨てになる
加入してから12か月経たずに解約すると、解約手当金は1円も戻ってきません。まずは無理のない金額からスタートするのがおすすめです。
経営セーフティ共済は、「もしもの時の保障」と「賢い節税」を両立できる、とても心強い制度です。
特に、これから事業を大きくしていきたい方や、将来の法人成りを視野に入れている方は、ぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。
初回のご相談(60分)は無料です。
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