交際費のルールで「実務上」迷いやすい事例を、わかりやすく整理しました。
特に「1人あたり10,000円以下」の基準については、判断に迷うポイントがいくつかありますので、ポイントを絞って解説します。
まずは、多くの方が疑問に思う3つのポイントをチェックしましょう。
● 税込?税抜?どっちで判断する?
会社で採用している「消費税の経理処理」に合わせます。
○ 税込経理なら、税込金額で判断
○ 税抜経理なら、税抜金額で判断
会社によって基準が変わりますので、まずは自社の設定を確認してみてくださいね。
● 一次会と二次会は合算する?
「お店が同じかどうか」が分かれ目です。
○ 同じお店の場合:合計金額で判断します。
○ 別のお店の場合:それぞれのお店ごとに10,000円以下であれば、会議費として処理できます。
● 10,000円を「1円」でも超えたらどうなる?
ここが注意点です。超えた分だけではなく、「全額」が交際費になります。
例えば、1人11,000円だった場合、1,000円だけではなく11,000円まるごと交際費として扱う必要があります。
お土産代や差し入れなど、「これって飲食代に入れていいの?」という事例をまとめました。
内容 | 判定 | 理由・注意点 |
飲食店のお土産代 | 〇 | 飲食の延長とみなされ、10,000円基準の対象です。※飲食代との合計額で判断します。 |
差し入れの弁当代 | 〇 | 得意先への差し入れでも、飲食目的であれば対象に含まれます。 |
お中元・お歳暮・手土産 | × | 飲食物であっても、単なる贈答品は「通常の接待交際費」となります。 |
送迎のタクシー代 | × | 飲食店に支払う費用ではないため、10,000円基準からは除かれます。 |
ゴルフ・観劇などの飲食 | × | 催事(ゴルフ等)がメインの場合、飲食代も催事費用の一部として扱われます。 |
「10,000円ルール」はあくまで接待交際費から除外するための基準です。そもそも「会議」の実態がある場合は、別の考え方をします。
● 「通常必要な範囲」ならOK
会議に関連する茶菓や、お弁当代などが「会議に通常必要なもの」であれば、1人10,000円を超えても全額「会議費」で計上できます。この場合、社内・社外の区別もありません。
● 高額すぎる場合は注意!
会議費に明確な上限金額はありませんが、あまりに常識外れに高額なものは、税務調査などで否認されるリスクがあります。「常識的な範囲」を意識しましょう。
● お酒が出てもいいの?
法律に「お酒はダメ」という明文はありません。ですが、居酒屋などの場所は「会議を行う場所」として説明が難しいことが多いため、一般的には会議費としての計上は慎重に判断する必要があります。
交際費のルールは、社外の人だけでなく、社内の役員や従業員に対するものも含まれます。
● 「社内飲食費」には10,000円基準がない!
社内メンバー(役員・従業員・親族)だけの飲食には、残念ながら「10,000円以下ならOK」というルールは適用されません。
原則として「交際費」または「給与(課税対象)」となります。ただし、社内行事などで一定の要件を満たす場合は「福利厚生費」として認められるケースもあります。
最後に、全体像をパッと確認できるようにまとめました。
分類 | 会議費 | 交際費 | 福利厚生費 |
社外(取引先など) | 会議に通常必要な費用(金額制限なし) | 1人10,000円以下の飲食代など | - |
社内(役員・社員) | 会議に通常必要な費用(金額制限なし) | 社内行事や親睦の費用 | 一定の要件を満たす社内行事 |
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