法人設立前の支出はどこまで経費?「創立費」と「開業費」を解説!
法人を設立する際は、登記費用だけでなく、チラシの作成、パソコンの購入、事務用品の準備など、さまざまな支払いが発生しますよね。
実はこれらの支払いは、「会社ができる前」に払ったものであっても、経費として認められるものがたくさんあります。
今回は、法人設立にあたって支払ったお金が、税務上でどこまで経費(創立費・開業費)として認められるのか、その範囲や仕訳のコツをまとめました!
法人税のルールでは、設立にまつわる費用を大きく2つに分けています。
法人を法律的に設立するためにかかった費用のことです。
● 具体例: 定款作成の費用、登記の登録免許税、設立事務所の賃借料・仲介手数料、設立事務スタッフの給与、許認可費用など
● ポイント: 法人登記の「前」の費用も含まれますが、あくまで「設立事務」に関するものに限定されるため、範囲は少し狭めです。
法人登記が完了してから、実際に事業を開始するまでに「特別に支出した」費用のことです。
● 具体例:
○ 印鑑や名刺の作成代
○ チラシやパンフレットなどの広告宣伝費
○ 打ち合わせの食事代(交際費)
○ 調査のための旅費交通費
● ポイント: 範囲は広いですが、原則として「登記後」の費用を指します。
⚠️ 注意!
個人事業主の場合は「開業前の費用」も広く開業費になりますが、法人の場合は少しルールが厳格です。しっかり区別しておきましょう。
「登記前でも、チラシを作ったり挨拶回りをしたりしたけど、それは経費にならないの?」という疑問をよくいただきます。結論から言うと、特例を使って経費にできます!
法人税には「設立期間中の損益は、最初の事業年度の所得に含めてもいいよ」というルールがあります(法人税基本通達2-6-2)。
つまり、「まだ会社はこの世に存在していないけれど、現実的に準備でお金は使っているよね」という状況を認めてくれる、とっても優しい規定なんです。
※ただし、個人事業からの「法人成り」の場合は、個人事業の経費として処理するため、この特例は使えません。
明確な「○ヶ月前まで」という基準はありませんが、常識の範囲内として、おおむね設立登記前の1~3ヶ月程度であれば認められるのが一般的です。
ここが一番のメリットです!創立費や開業費は「繰延資産」として計上します。
「5年(60ヶ月)で均等に経費にする」方法もありますが、最強なのは「任意償却」です。
任意償却とは?
好きなタイミングで、好きな金額だけを経費にできるルールです。
● 1年目: 赤字になりそうだから、あえて経費にしない。
● 3年目: 利益がしっかり出た!節税のために、取っておいた「開業費」を全額経費にする!
このように、経営状況に合わせて調整できるため、キャッシュフローの強い味方になります。
名刺代や広告費、ドメイン代などは、創立費・開業費にはなりませんが、前述の「特例」を使って、設立1期目の「広告宣伝費」や「通信費」として計上できます。
事務所の家賃や水道光熱費などは、開業のための「特別な支出」ではないため、開業費には含めません。これらも「特例」を使って、「地代家賃」や「水道光熱費」としてそのまま経費にします。
10万円を超えるパソコンなどは「開業費」ではなく、通常の「固定資産」として登録し、数年かけて減価償却していきます。
● 礼金: 「長期前払費用」として計上します。
● 保証金: 将来戻ってくるお金なので、経費ではなく「資産」として計上します。
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