山中潤一郎税理士事務所

法人成りした時の「小規模企業共済」の取り扱い

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法人成りした時の「小規模企業共済」の取り扱いを解説!

個人事業主から法人成り(会社設立)をすると、役員報酬の決定から社会保険の加入まで、決めるべきことが山積みですよね。「個人事業主時代に入っていた小規模企業共済はどうすればいいの?」というのも、よくあるお悩みの一つです。

結論から言うと、法人成り後も一定の条件を満たせば継続が可能です。

本記事では、法人成り後の小規模企業共済の取り扱いについて、継続のメリット・デメリットや具体的な手続き方法を、解説します。

 

 

1. 法人成り後も小規模企業共済は継続できる!

個人事業主が加入していた小規模企業共済は、法人成りした後も「同一人通算(どういつにんつうさん)」という手続きをすることで、そのまま継続できます。

ただし、誰でも継続できるわけではありません。以下の3つの条件をクリアしている必要があります。

1.    個人事業を完全に法人化していること

2.    設立した法人の役員として登記されていること

3.    法人の従業員数が「小規模企業」の範囲内であること

※詳しい条件については、第5章で解説します。

 

 

2. 法人成り時の「3つの選択肢」と受け取れるお金

法人成りをした際、共済の取り扱いは大きく分けて3つのパターンがあります。

① 小規模企業共済を継続する

一番多いパターンです。これまでの掛金納付月数を通算し、将来の退職金として積み立てを続けます。

② 加入資格がなくなり解約する(準共済金)

「法人成り後の従業員数が多すぎる」などの理由で、やむを得ず脱退する場合です。この場合、「準共済金」を受け取ることができます。

     メリット: 掛金納付月数が12か月以上あれば、掛金合計額よりも多い(または同等)の金額を受け取れる。

③ 加入資格はあるが任意で解約する(解約手当金)

継続できる条件は満たしているが、あえて解約する場合です。この場合、「解約手当金」を受け取ります。

     注意点: 納付期間が20年(240か月)未満だと元本割れします。

【参考】請求事由と受け取れるお金の種類

状況

共済金の種類

備考

法人成りして継続

同一人通算

手続きにより継続可能

資格がなくなり解約

準共済金

廃業等に準ずる扱い(税制優遇あり)

自分の意思で解約

解約手当金

20年未満は元本割れ

3. 法人成り後に継続するメリット・デメリット

継続するかどうかを判断するためのポイントを整理しました。

💡 メリット

     全額が所得控除の対象: 掛金(月最大7万円)の全額が所得税・住民税の節税になります。

     利回りが比較的高い: 現在の予定利率は1.0%。銀行の普通預金より有利な運用が期待できます。

     柔軟な増減額: 1,000円〜70,000円の間でいつでも変更可能です。

     契約者貸付: 納付済みの掛金の範囲内で、低金利の融資を受けられます。

⚠️ デメリット

     法人の経費にはならない: あくまで「個人の控除」です。法人の損金(経費)には算入できません。

     20年未満の任意解約は元本割れ: 途中で「やっぱり現金が必要」と解約すると損をする可能性があります。

     受取時に課税される: 将来受け取る際は「退職所得」または「雑所得」として課税対象になります(ただし、税控除が大きいため通常の所得より有利です)。

4. 継続するための具体的な「条件」

法人成り後に継続するための「小規模企業」の定義は、業種によって異なります。

常時使用する従業員数の制限

業種

従業員数の条件

建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業など

20人以下

商業(卸売・小売)、サービス業(宿泊・娯楽除く)

5人以下

POINT

「常時使用する従業員」には、役員本人や家族従業員、パート・アルバイト(一定条件を満たす場合)は含まれません。

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