税務調査で狙われるポイントを解説!
個人事業主から法人化(法人成り)した際、「今まで使っていた自分名義の車、そのまま会社で使ってもいいのかな?」と疑問に思うオーナー社長は多いはず。
「会社がタダで車を借りる=利益を受けている」とみなされて、税金がかかってしまうのでしょうか?また、税務調査でツッコまれるポイントはどこなのか?
今回は、個人名義の車を会社が「無償」で使う場合のルールと、税務調査で負けないための注意点をわかりやすく解説します!
世の中には、物の貸し借りについて2つの契約形態があります。
● 賃貸借契約: お金を払って借りる(レンタカーなど)
● 使用貸借契約: タダで借りる(友達から借りるなど)
法人成りのケースで、社長個人の車をそのまま会社が無償で使う場合は、この「使用貸借契約」にあたります。民法上も認められた正当な契約ですので、これ自体に問題はありません。
「タダで使わせるなら、会社は得をしているんだから税金がかかるのでは?」と不安になりますよね。ここが税金の面白い(そしてややこしい)ところです。
もし個人名義の車を会社にタダで「プレゼント(名義変更)」した場合は大変です。
● 個人側: 時価で売ったとみなされて税金がかかる(みなし譲渡所得)
● 法人側: 時価分のプレゼントをもらったとして税金がかかる(受贈益)
このように、名義をタダで移すとダブルで税金がかかる可能性があります。
一方で、名義は個人のまま「タダで貸す(使用貸借)」のであれば、実は個人・法人ともに税金はかかりません。
「個人が自分の持ち物を、自分の会社にタダで貸すくらいなら、商売じゃないし目をつむりましょう」というスタンスです。
※補足:土地の場合は別!
土地を法人にタダで貸すと「借地権」という難しい権利が絡み、法人側に税金がかかるケースがあります。車はそこまで厳しくないのでご安心を!
「無償で貸すのはOK」と言いましたが、実はここからが本番です。税務調査官は、「車の維持費をどっちが払っているか」を厳しくチェックします。
車をタダで貸しているからといって、すべての費用を会社が持っていいわけではありません。
● 会社が払ってOK: ガソリン代、駐車場代、高速代(=使うために必要な費用)
● 個人が払うべき: 自動車税、自賠責保険、車検代(=持っているだけでかかる費用)
もし、個人名義の車の「車検代」や「自動車税」を会社が払ってしまうと、「社長が払うべきものを会社が肩代わりした=社長へのボーナス(給与)」とみなされます。
こうなると、会社側では経費として認められず、社長個人には所得税がかかるという「痛いペナルティ」を受けることになります。
平日は仕事、週末は家族でドライブ……という場合、週末のガソリン代まで会社が負担していると、これも「社長への給与」として指摘されます。
【対策】
運行記録などをつけ、「仕事で使った分だけ」を会社が負担するように明確に分けるのが安全です。
「じゃあ、会社名義の車を社長がタダでプライベート利用するのは?」
これはアウトになりやすいです。
法人は「利益を出すための組織」なので、理由もなく個人に利益を与えることは許されません。この場合は、しっかり「社長への給与」として課税される規定があるため、注意が必要です。
個人名義の車を会社で使うなら、「使用貸借契約書」を作成し、「どの費用を会社が持ち、どの費用を個人が持つか」を明文化しておくのが一番の防衛策です。
★アドバイス
節税のために車を会社で維持したいなら、基本的には「個人から法人へ売却(名義変更)」して、最初から法人名義にしてしまうのが、経費化もしやすく管理もシンプルになりますよ!
初回のご相談(60分)は無料です。
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