山中潤一郎税理士事務所

個人名義の車を会社が「タダ」で使ってもOK?

税務4分で読めます

個人名義の車を会社が「タダ」で使ってもOK?

税務調査で狙われるポイントを解説!

個人事業主から法人化(法人成り)した際、「今まで使っていた自分名義の車、そのまま会社で使ってもいいのかな?」と疑問に思うオーナー社長は多いはず。

「会社がタダで車を借りる=利益を受けている」とみなされて、税金がかかってしまうのでしょうか?また、税務調査でツッコまれるポイントはどこなのか?

今回は、個人名義の車を会社が「無償」で使う場合のルールと、税務調査で負けないための注意点をわかりやすく解説します!

 

 

1. 「タダで借りる」のは「使用貸借契約」

世の中には、物の貸し借りについて2つの契約形態があります。

     賃貸借契約: お金を払って借りる(レンタカーなど)

     使用貸借契約: タダで借りる(友達から借りるなど)

法人成りのケースで、社長個人の車をそのまま会社が無償で使う場合は、この「使用貸借契約」にあたります。民法上も認められた正当な契約ですので、これ自体に問題はありません。

 

 

2. 税金はどうなる?「売る」と「貸す」は大違い!

「タダで使わせるなら、会社は得をしているんだから税金がかかるのでは?」と不安になりますよね。ここが税金の面白い(そしてややこしい)ところです。

(1) 「売る(譲渡)」場合は要注意

もし個人名義の車を会社にタダで「プレゼント(名義変更)」した場合は大変です。

     個人側: 時価で売ったとみなされて税金がかかる(みなし譲渡所得)

     法人側: 時価分のプレゼントをもらったとして税金がかかる(受贈益)

このように、名義をタダで移すとダブルで税金がかかる可能性があります。

(2) 「貸す(賃貸)」なら基本は無税!

一方で、名義は個人のまま「タダで貸す(使用貸借)」のであれば、実は個人・法人ともに税金はかかりません。

「個人が自分の持ち物を、自分の会社にタダで貸すくらいなら、商売じゃないし目をつむりましょう」というスタンスです。

※補足:土地の場合は別!

土地を法人にタダで貸すと「借地権」という難しい権利が絡み、法人側に税金がかかるケースがあります。車はそこまで厳しくないのでご安心を!

 

 

3. 税務調査で「ここ」が狙われる!2つの落とし穴

「無償で貸すのはOK」と言いましたが、実はここからが本番です。税務調査官は、「車の維持費をどっちが払っているか」を厳しくチェックします。

① 会社が「払いすぎ」ているケース(給与認定)

車をタダで貸しているからといって、すべての費用を会社が持っていいわけではありません。

     会社が払ってOK: ガソリン代、駐車場代、高速代(=使うために必要な費用)

     個人が払うべき: 自動車税、自賠責保険、車検代(=持っているだけでかかる費用)

もし、個人名義の車の「車検代」や「自動車税」を会社が払ってしまうと、「社長が払うべきものを会社が肩代わりした=社長へのボーナス(給与)」とみなされます。

こうなると、会社側では経費として認められず、社長個人には所得税がかかるという「痛いペナルティ」を受けることになります。

② プライベートでも使っているケース

平日は仕事、週末は家族でドライブ……という場合、週末のガソリン代まで会社が負担していると、これも「社長への給与」として指摘されます。

【対策】

運行記録などをつけ、「仕事で使った分だけ」を会社が負担するように明確に分けるのが安全です。

 

4. 逆のパターン:会社名義の車を「個人」がタダで使うのは?

「じゃあ、会社名義の車を社長がタダでプライベート利用するのは?」

これはアウトになりやすいです。

法人は「利益を出すための組織」なので、理由もなく個人に利益を与えることは許されません。この場合は、しっかり「社長への給与」として課税される規定があるため、注意が必要です。

 

 

5. まとめ:迷ったら「契約書」を作っておこう

個人名義の車を会社で使うなら、「使用貸借契約書」を作成し、「どの費用を会社が持ち、どの費用を個人が持つか」を明文化しておくのが一番の防衛策です。

★アドバイス

節税のために車を会社で維持したいなら、基本的には「個人から法人へ売却(名義変更)」して、最初から法人名義にしてしまうのが、経費化もしやすく管理もシンプルになりますよ!

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