「家族信託を使えば相続税や所得税が安くなる」という噂を耳にすることがありますが、これはです。家族信託それ自体に税金を減らす効果はありません。認知症や財産承継の対策として家族信託にしたら、結果的に節税になったという副産物的な効果ぐらいです。
その最大の理由が、税務上の「損益通算」が認められない点にあります。
通常、不動産投資などで赤字(損失)が出た場合、他の給与所得や事業所得の黒字と相殺して全体の税金を下げる「損益通算」というルールが使えます。しかし、家族信託の枠組みの中で運用している不動産で赤字が出た場合、この相殺が一切認められません。
さらに注意すべきポイントは以下の通りです。
● 複数の信託を設定していても、信託同士の利益と損失を合算できない
● 発生した赤字を翌年以降に繰り越す(純損失の繰越控除)こともできない
この制度の本来の目的は、税金を浮かすことではなく、家族の意思で確実に財産を守り、次の世代へ繋ぐことです。
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